いつもの自分を連れて。

『寄り道 2015 連れづれなるままに・・・』、行って参りました。

仕事を半休して、お盆ムードの静かな地元をあとに京都まで。寄り道は一人で行くのが全然寂しくない。
いえ、まあ普通のライブでも平気ですが、ステージと同じテンションでいられるといいますか。それが心地良いので。
京都、私はこのALTI府民ホールは初めてでしたが、なんてきれいな会場!
ステージの左右に客席もあり、MIYAも戸惑いながらも興味津々な様子のような。
静かにその客席を通ってステージに登場。花柄のシャツ? ホッとしますね。
オープニングは、リズミカルな『星のラブレター』。♪ 君の〜パパとママとも、仲良くーなったのに〜い♪

自己紹介やMCは、常にチューニングをしながら。「佐藤健です」どッと客席から笑い。
ボソッと「『京都編』だから・・・・」と、自ら失笑。
最近のMIYAは、ふっきれたかのようにライブで話してくれる、気がする。
最近といってもファイナルツアーからか。うん。この日もちゃんと病気の事を話してくれた。
一番始めの寄り道ツアーの初日が京都で、病状が最悪だったこと。
腕を前に出して首を少し前に曲げる姿勢、正にそこにギターを置いたら、ちょうど弾けるその姿勢が一番辛いのだと。
手術だと頸椎の後ろも前も切開して、声も変わるだろう、と。今は毎日1時間ストレッチ。
客席のお尻の痛さも心配してくれて、後半には起立して、皆でストレッチ!
が、これがMIYAが指導してくれるんだけど、1つどうしても効き目がわからないポーズがあり(笑)
大阪でも、ピンとこなかったんだけどなぁ〜。

一人、とても声の大きな女性がMIYAに話しかける場面があり、MIYAからも「君はよく通る声をしてるねー」なんて。
中盤、「頸椎、大丈夫ー!?」というダイレクトなかけ声も、無事にMIYAに1回で聞こえたのでホッとしましたが。
チューニングしながら、「大丈夫だよー」と、返事。

歌はというと、予想以上に自作が少なかった印象がある。そんなことはないんですけどね。
松山千春の『こんな夜は』は、MIYAがこんだけの人の頭の中で想像する事が、人の数だけ違うんだから
歌はすごい! と言われてたように、この歌を聴いてると、あんなに暑かったのにステージやMIYAの歌から、
冬の寒さを感じましたもんね。すごいなあ。
MIYAの音楽の歴史を紐解くような今回のライブ。なんだかんだで、王道の弾き語りを聴いたり、
MIYAがまだプロを目指して歌っていたであろう時期の話を聞くのが、親近感を感じて一番嬉しい。
と、思いつつ! スカの音を流されたり、とてもMIYAを語る上ではずせない沖縄の音を出されると、
やっぱりこれがないとMIYAじゃないね! 
等と、一人勝手な葛藤をしていました。あの静かな会場の中で。

前日に、修学旅行以来、念願だった三十三間堂に行った話を。しかも、電車で。
スターだからなかなか行けないけど、と、いつものアレ。
客席が今、それに似てると思ったと一人感動してるMIYA。ストレッチで少し真似させようと企てる事も(笑)
震災、戦争、沖縄の話はたくさん。
中でも、京都は戦後も神社仏閣等の建物がずっと残ってるからいい、羨ましいと何度も話してました。
「京都はねー・・・、よく人がツンツンしてるとか冷たいとかって言われたりしてるじゃないですか。
そういう印象が強いと思うんですが・・・・・。いいですよ!
うん、ツンツンしてていいです! それくらい、自慢できるくらいの歴史が残ってますもん! (笑)」
これが面白かったですッ。

開演前に配布されてるチラシの中に、MIYAの意訳した歌詞カードが。
MIYAが説明しだすと、客席はガサガサと袋をいじりだし、「開演前に」て書いてるんですけどね、みたいなやりとり。
一生懸命夜なべして書いたんだとか、色々と自画自賛な説明〜。はいー、わかりました。
ボブ・マーリィは、『ONE LOVE』も聴きたかったなあ! なんて、贅沢かしらねえ。

そう、朗読はその場で選んだりするので、会場の静寂が何度か起こる。でも京都は例の声の女性がリクエスト。
「MIYAらしい詩」、悩んで読んだ数編、「ほどく」、そして氷魚くん名前の由来のような詩、
ミヤトラの歌詞、続けて大阪ではなかった、『この広い世界で』『月さえも眠る夜』の朗読!
歌で耳にするのとは、また違う印象がありました。

くるちの杜 100年プロジェクト、実は200年、いや、良い音を出す為の木の成長をみるならば、300年かかるのだそう!
そんな事実を知った後の『島唄』、今年も無事に聴けました!

アンコールでは、『風になりたい』を、手拍子しながら。ようやく客席が波うったような感じ。
千の風に〜』のように歌うお茶目な場面も。MCからすると、別Ver.としてでもニューアルバムに収録されるのかしらねえ。
で、ラストは『遠い町で』。寄り道の意図にピッタリすぎて泣けてくる歌です。
MIYAの人柄の一番好きな部分の歌詞が歌われていて、それでいて、
寂しくないさよならをできるラストナンバーなので、嬉しくもあります。

京都の夜、MIYA、素敵な歌をありがとう!
そして、また明日!




翌日の大阪いずみホールも、これまたクラシック等が行われる会場のようで、天井のシャンデリア?もステキでした!

広いステージに現れたMIYAは、紫と白のグラデーション柄のシャツに、白パン
ガッガッ、と。『星の〜』の演奏後は、また若手俳優名を語って、軽めにどっと笑いを。
MIYAもそれがおかしかったのか、真似して「にゃっはっは、って・・・・」。
「前はもっと、黄色い声があったのになー。抱いてー!とか(笑)」 それを聞くと、当然客席からも
ポツポツと、MIYAー! の声が。無理矢理感がありありでしたが。

一夜明けて、今日は『時に愛は』が、頭をぐるぐるしてます。
力強かったですしね、MIYAのこのカバーは。
島唄』も、もう三線1本で歌われると、民謡だなあって感じました。連続で聴けて、かなり贅沢なんですが。
この日は終戦記念日ということもあって、戦争の話もたくさん聞けました。
MIYAの母方の祖父が硫黄島で亡くなられており、戦争はとても身近な話だと。
とても知らんぷりはできないと。
アンコールでは、この日に大阪で演奏するのは何か意味があると思うし、忘れないと言ってくれたのが、印象深いです。
ガンガズンバのツアーが決まり、大阪は父親の誕生日とのことッ(笑)
「まあ、普通の日常生活を送ってくれたらいいんですけどね」(笑)ってのが、おかしかったな。自分で盛り上げといて。

大阪も、全員起立のストレッチ大会! いや、いいですよ、これは。恒例にしてはいかがでしょうか。
いきなり、背を向けて壁にもたれて始める姿が面白い。なんだか難しいポーズもあり。
それをアンコール登場時にしながら出てくるところ、好きでっす。2階席に決めポーズ見せてました。
「いつかストレッチ本を出すかもしれません。MIYAのストレッチ」(笑) 想像して後からじわじわ笑えました。

もうね、いつもライブで感じますが、1曲1曲、そのステージの照明の変化のせいもありますが、
MIYAの印象が変わります。7変化というか、子供に見えたり女性に見えたり、全くの知らない人に見えたり。
その中で、そんな中でも自分だけはずっと同じでひきずってて、この2時間半くらいの幸せを必死で味わう。
着席してるから、いつも以上に冷静に自分を傍観してしまい、空しい。
でも、だから自分は多分、人並み以上にこの時間は幸せなんだろうなーとも、幸せだと感じる。
そんな気分でいつも、『風になりたい』を、聴いたり歌います。

自然にスタンデイング・オベーションが起こり、MIYAも笑顔!
会えて良かった、歌が聴けて良かった、また会えるんだな〜♪ と、安心してバイバイと拍手。
昨年の今頃はこの日みたいな日が来るとは、思えてなかったと思う。
だから、本当に嬉しい。良かった。
MIYA、お疲れ様です。本当にありがとう。
そして、また来年! 楽しみにしています。